カルロス ベナベンテ(古いファンなので t はあえて発音する派です)の使用でお馴染みの、メイプル・トップのバルセロナ4弦です。おそらく2011年前後の製造と思われます。
イェージィ・ドロッドの楽器の中でも、これが一番人気だったように思います。フレットレスや5弦や6弦など、様々なバリエーションがありますが、最もシンプルなフレテッド4弦というのが魅力です。Gibson EB-2 を極限まで洗練させた、という意味においても一番この楽器に相応しい仕様かと思います。
スプルース系のトップと異なり、比較的強度のあるメイプル系トップならではの安心感があり、EB-2 的でもある構造がバルセロナ・モデルの中での本機の特徴でしょう。アコアコしていない、けれどもアコースティック感のある「セミアコかくありたし!」といったトーンが特徴です。タッチ次第でゆったりとしたものからソリッドな太さまで、表現の幅の広い楽器です。
ネックはクラシックギター的で、指板には殆ど R がありません。とてもフラットです。且つネック・シェイプは細めで、結果かなり独特な弾き心地に仕上がっています。ですが、これも全然嫌じゃありません。むしろ楽器のキャラクターにぴったりなので、納得感すらあります。4弦だから対応しやすい、というのもあるのでしょう。
そしてなにより、イェージィ・ドロッドは、作りが素晴らしいです。ハンドメイドならではの緩いところが一切ありません。どこまでもカッチリしており、面がピシッと出ていて気持ちの良い楽器です。過去、その美しい曲線を解説している文章が散見されていましたが、美しい曲線は、平面がビシっと出ていて初めて活きるものです。製作後12年程度経過していますが、変な狂いは全くありませんでした。おそらく今後もそうでしょう。
大変ハイレベルな楽器でした。
非純正ソフトケース付属。
Body: Frame Maple Top & Spanish Cedar Back (Semi-Hollow)
Neck: 3P Hardrock Maple (Set Neck)
Fretboard: Ebony with Ray of Light Inlay (24F)
Scale: 33inch
Finish: Natural Satin (Polyurethane)
PU: Custom Humbacker (Neck) & Custom Singlecoil (Bridge)
Control: Volume Blend Tone (Passive)
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