スペイン南部グラナダのマスターとも呼べる作家"Antonio Marin Montero(アントニオ・マリン・モンテロ)"。家具職人として働いていた氏は数多の著名な製作家に影響を与えたエドゥアルド・フェレールの工房で3年半修行を重ね、28歳当時の1961年ごろに独立し、工房を開きました。その後にクラシックギター製作の多大なる影響を与えたフランスの巨匠ロベール・ブーシェに出会い、その作風に更なる磨きがかかり、世界中のギタリストや製作家から名声を集めました。クラシックだけでなくにスペインの伝統的なフラメンコギター製作も同様に高い評価を得ていました。本器は1988年の作品。スプルーストップ、ハカランダサイド&バック、セドロネック、エボニー指板、ハカランダ駒、寄木細工口輪、ウッドバインディング、ハカランダ化粧板、ナット幅53ミリ、弦長650ミリ。緻密な作り込みから来る仕上がりの美しさだけで終わらず、本来の目的である音を出すための道具としても間違いなく世界の一級品といえる本器。硬すぎない輪郭を保ったままの線の太い出音で、ボリュームを感じつつも穏やかな響きが特徴です。一音の力強さにも優れており、立ち上がりや減衰はなめらかで分離も良好。指板全体でしなやかに鳴り、ハイフレットでも音がスポイルされる感じはありません。サウンドホール下部周りの弾きキズやバインディング付近の打痕、ブリッジ下の弦飛びキズなど経年を思わせる使用キズは散見されますが、板の割れや貫通キズなどの致命的なモノありません。30年強の時の流れを感じさせない良好なコンディションが保たれています。世界でもっとも素晴らしい製作家に挙げられるひとり。是非お手に取ってお試しください。ハードケースが付属します。
表板：松
側板：ハカランダ
裏板：ハカランダ
指板：黒檀
下駒:ハカランダ
指板幅：53mm
弦長：650mm
ハードケース付属
