木材の有効活用を目的に1965年から生産が開始されたD-35。それまでのマーチン・ギターには無い3ピース・バックという特徴を持つこのモデルは、その構造ゆえに独特の音色を生み出し、今なおマーチンらしいサウンドを持つギターとして不動の人気を誇るモデルです。その甘く豊潤なサウンドは特にフォーク系やフィンガー系のミュージシャンからの支持が熱いマーチン・ギターが生み出した名器の1つです。今回入荷は2012年製の個体。現在のスタンダード・シリーズに変わる前の、1965年から脈々と引き継がれてきた王道スペックの1本！ペグもグローバーに変更された後のモノっていうのもポイント高いですね！
スプルースTOP、ローズウッドSIDE&BACK(バック3ピース)、セレクト・ハードウッドNECK、エボニー指板&ブリッジ、42.9mmナット、25.4インチ・スケールのドレッドノート。元々はブラジリアン・ローズウッドの有効活用の為に採用された3ピース・バックですが、28などの2ピース・バックとはまた違うサウンド・キャラクターが生まれ、28のストレートに飛ぶパワフルなサウンドに比べ、甘く柔らかい包容力に満ちたサウンドは、すっかりマーチンのスタンダードとして定着しました。
そのサウンドは耳触りの良い甘く柔らかな癒しのサウンド！反応が良く、立ち上がりの良いサウンドながら、音の角が少し丸い印象で、ふわ～っと綺麗に広がる包容力のあるサウンドは、長時間弾いていても耳が疲れず、マーチンらしい柔らかく丸みのあるサウンドを奏でます。28に比べるとややダークでウェットな印象ですが、このサウンドこそが柔らかいタッチのフィンガー・プレイや、フォーク・ソングにはベスト・マッチするんだと思います！
楽器のコンディションはほとんどキズの無い極美品コンディションです！唯一、ボディー・トップの1弦側ブリッジ斜め下辺りに黒子のようなぽつんとしたシミがあり、恐らくそれが気になったのでしょう、そのシミの上にコリコリッと引っ掻いたようなキズがひとつだけあります。黒っぽいシミ自体は1mm径くらいの小さいシミですが、塗装の下、木部に直接付いているシミのようです。なので、新品時からあったこの個体、この木材の特徴のようなモノですが、それが気になったのか、塗装の上からコリコリとその黒いシミを削り取ろうとしたような小さなキズが出来ています。とは言え、ほんの浅いキズですので、普通に見ている分にはキズの方には全く気付きません。光の反射で蛍光灯などを映しこんでみて初めて塗膜に僅かな凹凸があるのに気付く程度ですので、シミの方が気にならない方ならまず気になるようなレベルでは無いでしょう。その他は、目を皿のようにして子細に眺めていくと、PG上にいくらかのピッキング跡があり、ボディー・バックに糸くず程度の僅かなスレが発見出来る程度ですので、トータルで見れば充分新品同様の綺麗なコンディションと言えるでしょう。
ネック・コンディションも良好で綺麗にストレート、現状での弦高は12フレット上で6弦側2.3mm、1弦側1.8mm程度と非常に弾き易いセッティングになっています。サドルにもまだ余裕がありますので、更なる弦高の微調整も可能です。フレットはローフレットに僅かに弦の跡が付いている箇所がありますが、一番減っているところでもオリジナルの9割以上の高さが残っていますので、まだまだ新品感覚でお使い頂けるかと思います。
現行モデルのD-35では無く、往年のD-35の美品中古をお探しの方に強力プッシュの綺麗な個体です！
オリジナル・ハード・ケース付き
