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Gibson社のフラッグシップモデルであり、もはやエレキギターの代名詞とも言える”Les Paul”モデル。中でも上位機種として長年に渡り多くのギタリストに愛用されてきました。1952年中期に誕生したレスポール（スタンダード）ですが、1953年後期にはカスタム、1954年中期にはジュニア、1955年にはスペシャルと、多くのモデルが誕生し、現在に至るまで多くのギタリスト達に愛用され続けております。Les Paul Juniorに関しては当時高価過ぎて手に入りにくいレスポールモデルのステューデントモデルとして発表されましたが、オリジナルのヴィンテージに関しては良質のホンジュラスマホガニーの1Pボディ＆ネック、ハカランダ指板を採用するなど、現在では考えられない高いマテリアルで製作され、数多くの大物ギタリストすらをも唸らせるステューデントモデルとは名ばかりの素晴らしいギターとなっております。1958年中期～後期にかけてからはダブルカッタウェイに、1961年初期からはSGシェイプへと移行し1963年には正式にSG Juniorとモデル名を変更します。特にSGシェイプへ移行する前のダブルカッタウェイについては、Keith RichardsやJohnny Thundersなどの大物ギタリストの愛用もありヴィンテージの中でも別格、現在までに多くのリイシューモデルが発表されております。
今回ご紹介させて頂くのはGibson社においてのプレミアムイヤーとなる1959年製のレスポールジュニア。ダブルカッタウェイ初期となる歴史的にも非常に高い価値を誇るヴィンテージギター。加えてパーツ類もオリジナル度の高いコンディションの一本になります。
まずそのスペックとしては、1955～1958年までとなるシングルカッタウェイより移行した1958年後半からのダブルカッタウェイ＆スラブボディ仕様の1Pホンジュラス・マホガニーボディに、チェリーレッドフィニッシュ。ネックもボディ同様となる1Pのホンジュラスマホガニーが採用され、指板にはハカランダ（ブラジリアンローズウッド）が採用されております。その採用材全てが流石ヴィンテージと頷ける素晴らしい質の高さを誇り、ボディ＆ネックのホンジュラスマホガニーは柾目取りかつ角度によってフィギュアドライクなギラつきを感じさせる極上材を、指板のハカランダも真っ黒なコントラストにしっかりとした強い杢目、オイリーなツヤ感を感じさせる極上材にて、重量も約3.41kgと軽量な個体となっております。POTデイトはTONE部にて59年製を確認。その他としては、17度のヘッドアングルに、約42.5mmのナット幅、シルクドスクリーンのLes Paul Junior ロゴ、3連のシングルラインクルーソンデラックスチューナー、アルミ製のラップドバーテイルピース、バンブルビーコンデンサー、そしてブラックカバードのソープバーP-90搭載などが挙げられます。
そしてサウンドですが、数あるヴィンテージの中でもここまでサウンドの良い個体はまず無いと断言できるほど極上のトーンを奏でます。シンプルなウッドマテリアルだからこその極上材からの恩恵に加えて、半世紀をゆうに超える長い歳月弾き込まれること馴染み熟成されていった本機は、セットネック構造ながらスルーネックのような一体感を生み出します。伸びやかで芯を押し出すようなサスティーンに、ピッキングひとつひとつの振動を全体によって震わし、当たりのヴィンテージにこそ存在する独特の味わい深い”枯れた”トーンを奏でます。またピックアップもシッカリとエイジングされ、クリーンアンプでシンプルに弾くだけでも、明瞭ながら味わい深い音の奥行きを感じさせてくれます。またクランチ～ドライブ時のサウンドは硬すぎない歯切れの良いエッジ感とレスポンスの高いP-90ピックアップの特性をフルに生かした絶妙なディストーションサウンドをアウトプットしてくれます。ブルースはもちろん、パンク～ロックのレジェンド達が愛用していたことが納得できる素早い立ち上がりのキレの両立を持ちながら木の鳴りを感じれ、尚且つプレイアビリティも素晴らしいダブルカットとなり、コレクターの方ももちろんですがプレイヤーの方に素晴らしさを実感して頂きたい一本です。
また状態としては、ボディからネック、ヘッドに至るまでビッシリと入ったウェザーチェッキングにフェイドしたチェリーカラー、ピックガードのシュリンク、ジャックプレートのクラックと、歴戦の使用感はヴィンテージファン泣かせの弾き込まれた激渋のリアルエイジドルックスとなっており、その見た目は貫禄の一言に尽きます。その他としましては過去のペグ交換時に生じたと思われるエクストラホールがございますが、ペグに隠れているので通常状態ですと目視できません。そのプレイヤーズなルックスと呼応するように、当然の如くフレット＆ナット、トラスカバー、ヴォリュームPOT、ピックアップの固定ビスの交換はございますが、その他ピックアップなどは当時のままのオリジナルパーツをキープ。※ヴォリュームPOTにつきましてはハンダで隠れており確認が不可となっております。プレイ面としてはネックコンディションは良好でトラスの余裕もシッカリ残っており、フレットはミディアムジャンボタイプに交換されており、現状8部山以上とプレイコンディションは上々です。ケースは形状としては近年モノのGIBSON カスタムショップ製のGIGケースです。※ハードケースは撮影用のものとなります。
ヴィンテージの歴史としても重要なダブルカッタウェイ初期のLPスペシャルですが、年々高騰を続けており、同じ1959年製については多少のパーツ変更やリペア歴のある個体ですらも150～200万円前後となっております。今回の一本につきましては、上述の通り僅かなリペア歴こそございますが、極めて高いオリジナル度を誇る内容かつ、サウンド面でも他を凌駕する素晴らしい一本です。適正価格としては200万円台に迫る価格が適正かと予想されますが、今回こちら前所有者様からの多大なるご厚意もあり、相場を大きく下回る破格プライスにてご案内させて頂く事となりました。ここまでの一本が今後この価格にて手に入れられる事は今後無いと断言出来ます。高額帯と言えど、かなりの早い売約が予想されます為、お気になりました方は是非このチャンスをお見逃しなく。
