「魅惑のプリウォー・ヴィンテージ!」
戦前、戦中に生産されたエントリー・モデル。エントリーと言っても、小ぶりにして装飾を最低限に抑え実用に徹しただけで、基本的な作りは上位機種譲り。後年になって評価されるようになったモデルの一つです。当個体は仕様及びファクトリー・オーダー・ナンバー(FON)からおそらく1934年製と思われます。
トップの6弦側のサウンド・ホール脇からブリッジにかけてと、バックに3箇所のクラック修正痕があります。また打痕、引っ掻き傷、塗膜の剥げ、ヘッドのエッジの部分的な欠け、タッチアップ箇所、金属部品の錆も確認できます。ネック裏は過去にオーバー・ラッカーがなされているようです。エンド・ピンが欠損し、またエンド・ピン穴からトップ寄りの位置に別のエンド・ピンを付けていた痕(ネジ穴)が残っており、ブリッジ・ピンが交換されています。トップに若干の膨らみが見られますが、ギブソンのヴィンテージ・アコースティック・ギターとしては平均的なレベルです。
当店の提携先リペア・ショップにてリフレット、指板修正、ナット交換をおこないました。年式相応の経年劣化、使用感はありますが、年式を考慮すれば比較的綺麗な外観を維持しており、メンテナンス済ですのでプレイアビリティも申し分ありません。
もちろん、ネックの状態も適正です。12フレットの弦高は、6弦側で約2.5mm、1弦側で約1.9mmにセットアップしております。サドルの高さにさほど余裕はございませんが、弦のテンションは確保できており、鳴りも申し分ありません。
ヴィンテージらしい十分に枯れたレゾナンスの中に、ほど良いリバーブ感と奥行きがあります。小ぶりですがボリュームもあり、軽く爪弾いただけでボディの振動が体に伝わってきます。味わい深いトーンについつい酔いしれてしまいます。いつまでも弾いていたくなり、弾き終わった後もしばらく眺めていたくなるような風合いもある逸品。
Top:Spruce
Side&Back:Mahogany
Neck:Mahogany
Fingerboard&Bridge:Brazilian Rosewood
■保証:イシバシ中古保証12ヶ月
■製造年:1934年
■付属品:非純正ハード・ケース
■シリアル:918(FON)